弊社の新居チェックサービス時には、確認事項として指摘させていただいていることの項目ひとつが、壁のダメージや汚れです。
入居時からの問題は退去時に自分の責任とならないように、オーナーさんサイドにきちんと指摘しておかなければなりません(あまりに酷い場合には、「塗りなおしをリクエストされてはどうですか?」とアドバイスもさせていただいています)。
シンガポールの壁はペンキ塗りが一般的
湿気の多さがその理由なのでしょうが、シンガポールの住宅では壁紙を使うことはほぼなく、多くがペンキ塗りです。
たいていは白色の壁となっており、レンガを積み立てた壁の上に下地を作り、複数回のペンキ塗りといったところでしょう。
気をつけるべきペンキ剥がれ
年数が経ち、乾いたペンキは壁に膜になっていると、考えるとわかりやすいかも知れません。
膜が剥がれると、下地が段になって現れ、見た目も汚く見えます。
このくらいいいだろうと思うのは、借り手目線であり、貸して目線ではないことは、頭の片隅に置いておく必要はあるでしょう。
簡単には原状復帰できないものとお考えください。
ペンキ剥がれの原因
原因は壁に粘着性のものを貼ること、その貼ったものを取るときに、一緒にペンキの膜を持って行ってしまいます。
両面テープで固定するフックを壁に貼りつけたり、セロテープで壁に貼っている方がいらっしゃいますが、それらを外すときには十分に気をつけるべきです(貼らないのがいちばん安全)。
お子さんの描いた絵を壁いっぱいにセロテープで壁に貼っている方がいらっしゃいますが、劣化したセロテープはペンキを傷める要因となりますので、ご注意ください。
これは経年劣化でなく、貸し手のオーナーさんサイドとしては、使用上の不注意として考えられもするものです。
ちなみに写真のペンキの膜が剥がれた原因は、力任せにセロテープで貼った書類を取った跡です。
部分的なペンキ塗りで原状復帰は?
壁の一定箇所のみのペンキ塗りは、全体を見ると白い塗りむらが目立って見えることになります。
そのむらがある壁を気にするオーナーさんも多いのも確かであり、壁全体の塗り替えを求められる可能性があります。
そこの壁だけを塗りなおすのか?それとも部屋全体を塗りなおすのか?
そのまま全体的に上塗りするのか(何回重ね塗りをすればよいのか)?それとも一旦壁のペンキ全体を剥がして下から改めて塗りなおすのか?
それぞれによっても費用は違うとは思いますが、けっして安い金額ではないのは事実です。
過去にもご相談で、オーナーさんから多額の修理費(塗りなおしのため)を求められたが妥当な金額だろうか?とご質問を受けたことがありますが、ご質問されたご本人がどこまでどういう作業をやるかもわからない中、弊社にも推測できませんでした。
勿論のこと、多少のダメージは気にもされないオーナーさんもいらしゃいます。
ご参考なりましたら、幸いです。
ただし、残念ながらシンガポールの業者の技能はばらつきが広く、しっかりした人は十分なスキルを持っていますが、プロとは思えないレベルの人もいること、既にシンガポールで過ごされた皆さまの承知のことだと思います。
自らアレンジした業者の仕上げが駄目な時には、オーナーさんに再度クレームされて余分な費用のみかかるリスクもありますことも、知っておく必要があります。